読み物

アトピー性皮膚炎から赤ちゃんを救う

2019.3.6

私、久保木も小児よりアトピー性皮膚炎で悩んでいた一人です。小児の頃にステロイドを多用していた事もあり、足、腕の皮膚は薄く、皮膚が萎縮しております。今ではかゆみを伴う事が稀にありますが、普段の生活を問題なく過ごしています。しかし、夜も眠れないくらいかゆい、赤みなどの外的要因で外出時ストレスを持ち、苦しんでいる方も多いかと思います。アトピー性皮膚炎は生まれつきもっている子供はいなく、生後6ヶ月頃までのスキンケアが大切だとの報告があります。私も生後2ヶ月と4歳の二人の娘をもつ父親です。小児のスキンケアについて考えてみましょう。

乳児湿疹とは

乳児湿疹とは生後1〜2週間くらいにできる湿疹の総称です。原因は妊娠中に母親の妊娠ホルモンがお腹の赤ちゃんに影響を与えた結果、皮脂腺や毛包で皮脂が分泌過多となる事が原因と言われています。

乳児湿疹には大きく分けて、乳児性ニキビ、乳児性脂漏性皮膚炎、あせもに分けられます。

乳児性ニキビとは

生後2週〜2ヶ月の新生児の主に顔面に応じる。思春期のニキビ様の発疹で男児に多く発症する。皮脂の産生・分泌亢進によると考えられているが、マラセチア菌に対する炎症反応という説もある。通常2か月をすぎれば自然消退するが、乳児脂漏性皮膚炎と合併したり、移行することもある。

乳児脂漏性皮膚炎とは

赤ちゃんの脂漏性皮膚炎は、生後2〜4週ごろからかけて徐々に皮膚に症状がでます。症状は頭皮、眉毛、額、眉の間、頬、耳の周りなど皮膚の分泌が盛んな場所にあらわれます。赤くなったり、皮膚が隆起したり、皮膚がうろこ状にはがれ皮膚が付着したりすることがあります。

また、症状が重くなると細菌に感染したり、皮膚の状態が悪化したりする場合もあります。赤ちゃんの脂漏性皮膚炎は生後2か月くらいの皮脂の分泌が盛んな時期に多いので、皮膚の分泌と深くかかわっていることが考えられています。

脂漏性皮膚炎は軽い症状であれば、赤ちゃんの3分の1が経験するといわれています。また、ほとんどが6ヶ月までに自然治癒する場合が多いです。しかし、なかなか治らずアトピー性皮膚炎に移行する方もいるということが報告されています。

赤ちゃんのあせもとは

大人の場合、あせもは汗をかきやすい夏にできます。一方、赤ちゃんは夏だけではなく、新陳代謝が活発なため一年中できます。あせもは、一度に大量の汗をかき、汗が蒸発しにくい場所にできやすくなります。汗を大量にかくことで、汗が通過する汗腺が詰まり汗がたまるからです。

あせもの種類には大きくわけて、水晶様汗疹と紅色汗疹の2種類にわかれます。水晶様汗疹は、熱が高いときや暑い環境のとき、体幹や両手両足に、約1mm~2mmの水滴のような水泡があらわれます。紅色汗疹は、赤ちゃんの場合、体幹だけでなくおむつの部分など汗をかきやすい場所にあらわれます。約2mm~3mmの紅色の発疹ができかゆみを伴います。

これらの症状から、赤ちゃんのあせもは赤いブツブツから始まることが多いようです。そのまま放置すると赤ちゃんはかゆがり掻きむしってしまうこともあります。あせもができやすい場所は、汗をかきやすい額・首・股・おむつが当たるウエスト部分・膝の裏などです。また、あせもを掻きむしってしまうと、伝染病のとびひになってしまうことがあります。

乳児脂漏性湿疹とアトピー性皮膚炎との関係

乳児脂漏性皮膚炎は約1/3の新生児が体験するもので、通常6ヶ月までには自然治癒すると言われています。かゆみは少なく、頭や、顔の眉毛の部分に赤みや、厚いフケが付着する事が多いですが、この症状が6ヶ月を過ぎても消退せず、体幹や四肢に皮膚炎が広がり、乾燥性の病変がみられたりする場合はアトピー性皮膚炎に移行しているかもしれません。アトピー性皮膚炎にならないためには乳児脂漏性皮膚炎の原因である皮脂を適切にケアする事が大切なのです。

アトピー性皮膚炎は生まれつきではない

生まれつきアトピー性皮膚炎の乳児はいません。良く耳にする遺伝的素因は皮膚のバリア機能の強弱やセラミドの量が違うだけでスキンケアを適切にすることでバリア機能を高め防ぐ事ができます。アトピー性皮膚炎の一番の要因は外的要因です。外的要因にはアレルギー的因子と非アレルギー的因子があります。
アレルギー的因子には食べ物、ダニ、ハウスダスト、細菌、真菌、花粉、外用薬、スキンケア商品などがあります。非アレルギー的因子には汗、乾燥、化学的刺激、ストレスが挙げられます。

母乳が原因ではない

赤ちゃんに湿疹ができると、「母乳や食べ物が原因?」と心配になるなるかもしれません。しかし母乳や食べ物で湿疹ができた場合は食べ物アレルギーですので乳児湿疹には関係ありません。

アトピー性皮膚炎の原因と適切なスキンケア

アトピー性皮膚炎の原因は

そうです。大量に分泌された皮脂です。ではなぜ皮脂が大量分泌されるといけないのか?皮脂を好むマラセチア菌が繁殖するからです。マラセチア菌は炎症やフケ症の原因と言われています。炎症などフケで皮膚環境が悪くなっていると必ずと言って良いほど悪玉菌が増えます。悪玉菌の代表的なものは黄色ブドウ球菌です。

黄色ブドウ球菌に感染すると皮膚が常に悪玉菌から影響を受けているので将来アトピー性皮膚炎になりやすいとゆうことがわかっています。実際に黄色ブドウ球菌は健常な皮膚にはほとんど定着しないようですが、アトピー性皮膚炎の患者様の90%において皮膚の病変部位に定着が認められているようです。

適切なスキンケア

1. 体を洗うときは、石油系界面活性剤がはいっていない液体洗浄剤を使う

液体洗浄剤をよく泡立てます。泡立ちが少ない場合は、泡立ちネットなどで泡立ててから赤ちゃんの顔、耳のまわり、首、脇、鼠径部など皮脂の分泌の盛んな部分をゆっくり洗いましょう。注意したい点は、必ず手で洗うということ。赤ちゃんの肌はデリケートなので、タオルなどを使わないようにしましょう。

2. 頭を洗うときはシャンプーを使う

肌に優しい赤ちゃん用のシャンプーを使います。頭皮やまゆ毛にこびりついた皮脂は、お湯だけでは落ちにくいので、少しあたためたタオルで蒸したあとに洗うととれやすくなります。注意したい点は、一気にはがそうとしないこと。少しずつ落とすことを心掛けましょう。

3. 洗うときは、手の指の腹を使う

こびりついた皮脂はなかなか落ちにくいので、無理にはがそうとすると毛が抜けたり、出血したりすることがあります。洗うときは手の指の腹を使って優しくマッサージするようにしましょう。

4. 水溶性保湿剤でしっかり保湿する

洗ったあとは皮脂が落ちてバリア機能が弱くなっているので、グリセリンやセラミドが含まれた化粧水で保湿しましょう。入浴後5分以内がより効果的です。

柔軟剤に注意

赤ちゃんの衣類に柔軟剤を使っていませんか?もし使っている方がいたらすぐに止めたほうがいいでしょう。柔軟剤の中に入っている香料を初めてとする成分には多くの化学物質、合成界面活性剤が入っていると言われ、乳児の皮膚炎につながると言われています。適切なスキンケアをしても柔軟剤を使うことで意味がなくなってしまう可能性があります。

爪をしっかり切ってあげよう

赤ちゃんは大人と違い、無意識に肌を掻きむしってしまいます。ひっかき傷の細菌が原因で湿疹が悪化するケースもあり爪は常に短く切っておきましょう。
爪切りの頻度としては乳児も爪の伸びははやく週に一回はチェックして頂き、爪の白い部分が伸びてきたら、爪切りのサインです。ただし、深爪には十分に注意しましょう。もし怖い方は爪切りではなく、爪やすりなどを使ってもいいでしょう。

病院で処方されるお薬について

多くの方が保湿剤としてプロペト(白色ワセリン)、ヒルドイドソフト軟膏(ヘパリン類似物質軟膏)を処方されていませんか?これらの保湿剤は健常な方が使うには皮膚の保護をし、乾燥予防にはとても効果的だと思います。しかし、乳児湿疹の場合は過剰な皮脂分泌が原因です。油分が多いのにさらに油分を塗ってしまったら、余計に症状が悪化してしまう恐れがあります。乳児の場合は油分の少ない水溶性の保湿剤でケアしてあげましょう。

ただし乾燥性皮膚炎の乳児はプロペト、ヒルドイドソフト軟膏が推奨されますので、症状の判断が難しい際は一度受診しましょう。

ステロイド剤について

ステロイド剤は炎症を抑えるために病院でよく処方されるお薬の一つです。しかしステロイド剤はアトピー性皮膚炎を助長するとも言われています。ステロイドはあくまで対症療法で、一時的に炎症を抑えますが、アトピー性皮膚炎を治すお薬ではありません。ステロイド剤には免疫力低下や中止後の症状の再燃などの副作用があります。小児は皮膚が薄く薬の浸透が高いために効果もよくでるのですが、副作用も応じやすいので、使用する際は慎重に使いましょう。

最後に

乳児をお持ちのお母様は毎日、我が子の事が心配だと思います。
乳児湿疹は多くの乳児が発症します。その時に慌てず、見るのも辛くなってしまうほどひどい状況になる前に適切なスキンケアをすることで症状を軽減していきましょう。
お困りな事が御座いましたら、お気軽にご連絡下さいませ。

 

 

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薬剤師 久保木

記事は薬剤師の久保木が監修しています。薬剤師の資格の他に料理が大好きということもあり、国際中医薬膳師の資格と調理師免許の資格も持っています。
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